100haの社有林を
なんとかしよう、
からはじまるプロジェクト
京急電鉄が三浦半島に保有する約100haの森林は、スギやヒノキの人工林ではなく照葉樹林の森です。多種多様な樹種が茂り、たくさんの昆虫や鳥たちが集っています。都心に近い森でこれだけ自然のままの姿を残す森は貴重なんだそう。だけど、約60年もの間手つかずになってしまっていたこの森林は、鬱蒼としていて立ち入りづらい雰囲気がありました。この森に手を入れ、明るくて心地のよい森林を目指す取り組みが「みうらの森林プロジェクト」です。
京急グループが森づくりに関わるのは初めてでしたが「この森にどんな風に手を入れていくのがいいだろうか」とチームで議論を重ね、「できるところからはじめよう」と小さく森の手入れをスタートさせました。
この森はかつて、畑や田んぼ、薪や炭をつくる場として人の暮らしの利用があった場所。だからこそ、過剰に保全してしまうのではなく、適切に手を加えながら、人が森の恵みを受け取り利用していける森にしたいと思っています。
三浦半島のこと、森のこと、生物多様性のこと、木材利用のこと。それぞれの未来を中長期の視点で見据えていきたいと考えています。
それは環境の話であり、ビジネスの話。私たちはそのどちらも大事にしていきます。企業と森の関係性がよくなっていくために。
三浦半島と
京急「みうらの森林」
京急電鉄は、三浦半島に2つの社有林を保有しています。一つは、横須賀市の野比エリアに約44ha、もう一つは同じ横須賀市の秋谷エリアに約44ha。どちらの森も、スギやヒノキの人工林ではなく広葉樹主体の森です。この森の木をむやみに伐ったり開発したりするのではなく、生物多様性の視点を持ちながら三浦半島の自然と共生していくための森づくりを進めています。
野比の森は三浦半島の東岸、京急YRP野比駅から車で10分ほどの場所です。森の北側をくりはま花の国に接しています。秋谷の森は三浦半島の西側で長者ヶ崎海岸の東に位置する小高い森です。それぞれの森の周辺には住宅地が広がり、海に向かう斜面からは気持ちのよい海風が入ります。
みうらの森林が目指すこと
環境保全を通じて、
人と自然がすこやかに
つながる未来をつくる
- 健全で豊かな森づくりを目指して、間伐や植林を行っていきます。
- 多様な動植物が共存できるような環境づくりを目指します。
- 再生可能資源として、間伐等で伐採した木々はしっかりと活用していきます。
- 地域を育む共創の場として、森を人にとっても心地の良い場所に変えていきます。
みうらの森林プロジェクトでは、環境保全を通じて、人と自然がすこやかにつながる未来を目指しています。そのために、森林のことを知り、三浦の環境について知ることが重要だと考えています。知って終わりではなく、さらに行動を通してパーパスの実現に向けて取り組みを進めています。簡単なことではありませんが、それでも京急グループはつくりたい未来を目指しています。
みうらの森林が目指す
循環型社会
みうらの森林プロジェクトでは、生物多様性を守りながら森に光が入るための間伐や植林を行い、約100haの社有林を明るい森に整備していきます。森林管理で伐った間伐材は、薪やバイオマス発電のエネルギーにしたり、三浦半島の自然を感じられるベンチやタンブラーなどのプロダクトに生まれ変わらせたりするなど、最後まで大切に活用します。
手つかずの鬱蒼とした森から明るく心地のよい空間になった森は、対話やアクティビティの場として利用し、人と自然の接点を生んでいきます。森の管理と木材の活用、そして森に人が入るためのきっかけづくりをみうらの森林から発信し、持続可能な森と地域を目指していきます。